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    11/6/2009

    ネ大使館協力「仏陀再誕」

    谷川昌幸(C)
    映画「仏陀再誕」は,ネパール大使館が協力している。ポカラで「仏陀再誕生(原文のママ)」が上映され,子どもたち多数に感動を与えたそうだ。長崎では,ユナイテッドで上映している。週末にでも,観に行こう。
     
     
     
    「映画「仏陀再誕」を通じて、ネパール大使館の協力の下、ネパールのポカラ地区とゴルカ地区の700名以上が通う中高の学校建設と奨学金支給を支援します。釈尊生誕の国、ネパールの子供たちが教育を受けられる環境を整えます。」(幸福の科学出版 映画「仏陀再誕」 ネパール教育支援プロジェクトより)
    10/26/2009

    天皇発言への政治介入:岡田外相

    谷川昌幸(C)
    岡田外相が,天皇の「お言葉」に政治介入した(朝日10/24)。国会開会式での天皇の「お言葉」を「陛下の思いが少しは入ったお言葉」にせよ,と要求したのだ。
     
    天皇の国会召集は憲法の定める国事行為(第7条2)だが,国会開会式での「お言葉」の規定はなく,違憲の疑いがある。こんな事はやめたほうがよい。かりに「公的行為」として許容されるとしても,「お言葉」の内容は空疎にして形式的,政治的にまったく無意味なものでなければならない。
     
    それなのに,岡田外相は,国権の最高機関たる国会において天皇が自分の意思を表明するよう要求した。憲法遵守を信条とし身上とする天皇に,憲法違反をすることを外務大臣として要求したのだ。
     
    なんたる不忠者か。こんな危険な外相は直ちに罷免すべきだ。
    10/24/2009

    国連左右にスジャータさん

    谷川昌幸(C)
    毎日ウツウツ,何もする気がしない。絶不調。こんな時は,ネアカの国のネアカ代表スジャータ副首相のご尊顔を拝すに限る。
    (nepalnews.com)
     
    左右にランドグレンUNMIN代表とピパー(パイパー?)国連現地調整官をしたがえ,スジャータ副首相はご満悦の様子。見ているだけで,スカッとする。
     
    ネパールの政治は誰が動かしているのか,よくわからない。ネパール首相が何かしているようには見えないし,ヤダブ大統領には権限がない。
     
    どうせ,その筋に操られているのなら,ネアカのスジャータさんを首相か大統領にしてあげてもよいのではないか。ミスネパールでは,ちょっと軽すぎるような気がする。
    10/13/2009

    スジャータさん,副首相に

    谷川昌幸(C)
    10月12日,MK.ネパール首相が,スジャータ外相を副首相に任命した。就任式は,あのヤダブ大統領が執り行い,「民選国王」の役割を見事果たされた。 スジャータさんは,第二副首相かもしれないが(第一はMJFのガッチャダル氏),ご機嫌で,首相支持を約束した。
     
    この副首相人事は,コングレス党首にして実の父親のギリジャ氏が党に正式に諮ることなく強引に進めたものらしく,RC.ポウデル副党首や若手指導者のガガン・タパ氏らが猛反発,党分裂にさえなりかねない状勢だ。
     
    MK.ネパール首相の評判は当初は散々だったが,さすがネパールの政治家,機を見るに敏だ。ライバルのNCを分裂させ,マデシの支持を得,そしてマオイスト党首プラチャンダ氏は当日(12日)朝,またまた中国外遊に出掛けてしまった。この大変なとき,国を留守にし,党首が「遊び」回っているようでは,マオイストも強硬には反対しにくいだろう。
     
    ネパールの首相は1年もてば御の字だ。この調子では,ネパール首相は平均以上の実績を残すことになるかもしれない。
    (Nepalnews.com, 12 Oct)
    8/25/2009

    「ネパールの国益と国家安全保障」セミナー

    谷川昌幸(C)
    8月21日,セミナーに招待された。きな臭い感じがしたが,「何でも見てやれ」と,参加することにした。
     
    テーマ:ネパールの国益と国家安全保障
    主 催:サンガム研究所
    日 時:8月21日 9:00-17:00
    会 場:ソルティ・クラウン・プラザ(ソルティ・ホテル)
     
    1.不可解な招待状
    このセミナーについて,直感的にきな臭いと感じたのは,何と行ってもセミナ・テーマ。いまどき「国益」や「国家(国民)安全保障」を掲げセミナーを開催すれば,当然,その筋の息のかかったセミナーと考えざるをえない。
     
    第二に,会場が,某元国王所有の超豪華ホテル。そこの豪華会場を一日借りきってセミナーを開く。当然,昼食も豪華メニュー。これが全部タダ。タダ飯は,どの国でも高くつくのが相場だ。
     
    第三に,招待状には,セミナーのテーマだけで,プログラム内容の記載が全くない。誰が何を話すのか,何をするのか,見当もつかない。
     
    これだけ条件が揃えば,どこか怪しいなと感じて当然だが,それでも好奇心に駆られ,出かけていった。
     
    2.サンガム政策・戦略研究所
    主催者の「サンガム政策・戦略研究所(Sangam Institute for Policy Analysis and Strategic Studies)」は,パンフレットによれば,「国民(nation)」の維持・強化を目的とする「非政治的・非党派的組織」であるが,「国民」「国益」を掲げているのだから,当然,ナショナリスト組織と見てよいであろう。
     
    またSangamはサンスクリットであり「合流」の意だが,シンボルマークはヒンドゥー教のトリスリそっくり。実際はどうか分からないが,ヒンドゥー・ナショナリズムを連想させることはたしかだ。
     
    3.プログラム
    セミナーのプログラムは,当日,入場の時に配布された。主な内容は次の通り。
     
    First Session Chair: Hon. Kamal Thapa
    National Interest and National Security -- Prof. Susil R. Pandey
    Where media, public, interest groups and national interest meet -- Prof. Parsuram Kharel
    National interest and development paradigm of Nepal -- Dr. Shankar Pd. Sharma
     
    Second Session Chair: Amb. Keshav Raj Jha
    Civil-Military relations in a Democratic Transition -- General(Retd.) Keshar Bahadur Bhandari
    Conflict, security and its impact in Nepali Society -- Dr. Saubhagya Shaha
     
    前半の司会が,カマル・タパ氏。これだけで,サンガム研究所の基本姿勢は明らかだ。しかし,カマル・タパ氏の話しそのものは明晰であり,彼が優れた知識人であることは間違いない。
     
    また,右派ナショナリスト的傾向の強いセミナーであるにもかかわらず,マオイスト議員も何人か参加していた。このへんが,ネパールの面白いところである。
     
    4.ナショナリズムと国益
    セミナーの発表は,いずれも「アカデミック」であり,イデオロギーをもろに出すような下品なものではなかった。その意味では面白さに欠けるが,それでも配布原稿を見ると,興味深い発言がいくつか見られる。
     
    (1)プリトビナラヤン国王の評価
    報告者たちはナショナリストであり,プリトビナラヤン国王によるネパール統一を高く評価する。
     
    「今日,われわれすべてがネパール人であると誇れるのは,プリトビナラヤン・シャハ国王がネパールを単一の存在として統一するという理念をもち努力したからだ。」(K.B.Bhandari, p12)
     
    「プリトビナラヤン・シャハ国王は,戦略家国王だ。彼の国家統一後の地政学的認識は,ネパールが国際関係において果たすべき役割や,ネパールが二大隣国との関係においてバランス政策を採るべき理由をはっきりと見抜いていた。」(S. Pandey, p44)
     
    右派ナショナリストの原点は,何といっても,プリトビナラヤン国王のネパール国家統一なのだ。(左派ナショナリストの原点は,いったい何なのだろう? さっぱり分からない。)
     
    (2)エリート主義的現実主義
    このセミナーの報告者はみなエリートであり,当然,現実主義の立場に立っている。たとえば,国軍元幹部K.B.バンダリ氏は,「文民優位(civilian supremacy)」について,こう批判している。
     
    「文民優位をいうと,人民主権(people sovereignty)や公の優位(public supremacy)が失われる恐れがある。」(p1)
     
    そして,こう国軍を擁護する。
     
    「現在の国軍将兵は教育も経験もあり,世情に敏感で理解力も責任感もあり,ネパールのよき市民である。」(p16)
     
    たしかに,少なくとも国軍エリート層は,ネパール有数のインテリ集団といってよい。そのエリート主義の立場から,彼は「civil」と「public」を区別し,「文民優位」を批判する。
     
    「文民優位の名により,公の自由(public freedom)を奪う権利はあるのか。それは,公の優位を犠牲にして,文民優位を押し通す試みではないのか? ....文民優位のエートスを理解せずに,党利党略に利用するなら,それは有害なものとなるであろう。」(p17)
     
    ちょっと分かりにくいが,彼は「文民優位」そのものを否定しているわけではない。現状では,「文民優位」をいうと,それは政党(文民)に利用され,国軍を党利党略のため動員されかねない,と警告しているのだ。これは,もっともな批判である。
     
    5.セミナー文化
    サンガム・セミナーは,当初の想像以上に学術的なものであり,参加者はみな紳士であった。
     
    それはそれで結構なのだが,このセミナーに限らず,一般にネパールのセミナーは主催者,報告者,出席者ともみな場慣れしていて,それだけに現実社会から浮いている感じは否めない。
     
    セミナーが「文化」となり「産業」となっているのではないか? 外国スポンサーも,イザという時のための人脈づくりの必要経費と割り切って,セミナー支援を続けているのではないか? ネパールで立派なセミナーに出るたびに,そんな気がしてならない。
     
     
    サンガム研究所シンボルマーク
     
     
     司会者カマル・タパ氏(中央)
    ソルティホテル・クラウンプラザ
    7/22/2009

    日食と衆院解散

    谷川昌幸(C)
    長崎はいま日食。外は薄暗くなり,セミが鳴きやみ,カラスが鳴き始めた。不気味。街の騒音もパタッとなくなった。
     
    これはきっと天変地異の予兆にちがいない。麻生さんはKYだ。こんな験の悪いときに解散なんかして。太陽が欠けるくらいだから,自民党政権没落も仕方あるまい。
     
    自民党政権崩壊で日本政治は混乱に向かうのではないか? この混乱が次の新生への産みの苦しみならよいのだが,欠ける太陽を見ていると,どうも日本の長期没落傾向を暗示しているような気がしてならない。
    日食で薄暗くなり,電車も車もヘッドライトをつけている。長崎・蛍茶屋,7月22日10時55分頃。
     
     
    6/18/2009

    皆さん,よい人なのに・・・・

     谷川昌幸(C)
    新聞などを見ると,連日,ギリジャ・コイララさん(NC党首,父),スジャータ・コイララさん(娘,外相),マダブクマール・ネパールさん(UML, 首相)らの悪口ばかりだ。罵詈雑言,よってたかって言いたい放題。もしこんなひどいことを女房や亭主にいったら,はり倒され,追い出されるに決まっている。
                
    ギリジャさん/スジャータさん/MK・ネパールさん
     
    ギリジャさんとは直接お話ししたことはないが,演説やセミナーでは何回かお目にかかった。立派な方だ。スジャータさんは,恐れ多くもご自宅でお茶しながら,歓談させていただいた。快活な魅力的な女性政治家だ。ネパールさんとも,何度かお話しする機会があった。共産党員でありながら謙虚で柔軟な方だ。お三方とも,尊敬すべき立派な方々なのだ。
     
    特にギリジャさんは,つい2年前,首都で数十万,全国では数百万の「人民」が街頭に出て,悪の権化ギャネンドラ国王を権力から追放したとき,運動統合の象徴的な役割を果たされた。2006年人民運動Ⅱが無血名誉革命たりえたのは,革命諸勢力をその象徴的カリスマ性により一つにまとめられたギリジャ翁の働きがあったからだ。 だから,革命成功後,二千万余ネパール人民は歓喜し,感謝し,ギリジャ翁をノーベル平和賞に推薦したのだ(具体的手続きは不明)。
     
    あぁ,それなのに。あれから,わずか2年にすぎない。「人民」は,あの感涙をケロッと忘れ,大恩ある長老政治家を足蹴にし,面罵している。健忘症「人民」には,敬老精神のかけらもない。 ギリジャ翁には及ばぬまでも,MK・ネパールさんやスジャータさんも,ネパール「人民」のため,大いに献身されてきた。それなのに,ネパールさんもスジャータさんも,連日,ボコボコに叩かれている。お気の毒に。
     
    あのね,ギリジャ翁を「救国の父」と絶賛したのは,皆さんでしょ。MK・ネパールさんやスジャータさんを支えてきたのも,結局,皆さんでしょ。だって,1990年以来,People Powerなんだから。そんなにイヤなら,へっぴり腰でキャンキャンほえていないで,さっさと辞めさせたらよい。それだけのことでしょ。
     
    意地汚く体制に依存しつつ,下品な悪口をまき散らすのは,父に養育されながら悪態をついている洟垂れ小僧のようなものだ。
    5/5/2009

    暴露合戦,始まるか?

    谷川昌幸(C)
    プラチャンダ首相辞任とともに,暴露合戦が始まりそうな雲行きだ。 
     
    「ヒマラヤン」によると,2008年1月2日録画ビデオが放映され,その中でプラチャンダ議長が,人民解放軍の実数は8000人ないし4000人だと語っているそうだ。
     
    また,マオイストは認定「殉死者」家族に支払われる100万ルピーのうち,90万ルピーを党に上納させる,とも語っているという。
     
    泥仕合になりそうだ。
     
    5/4/2009

    プラチャンダ首相,辞任

    谷川昌幸(C)
    プラチャンダ首相が,辞任した。カトマンズのいくつかの地域(大統領官邸付近など)が,厳重警戒区域に指定されたようだ。青年がラーニポカリで警官隊に殴られている写真も出ている。くれぐれも用心していただきたい。
     
    ヤダブ大統領は,大統領のカトワル統幕長留任命令を,あくまでも合憲と強硬に主張している。大統領が強気なのは,一つには,首相は制憲議会の過半数により不信任決議できるのに対し,大統領は2/3の多数でなければ解任できないからだ。 この点についても,昨年来,問題があると指摘してきた。
     
    ヤダブ大統領は,その気になれば,かなり頑張れる。それがネパールの安定にとって好ましいかどうかは,今のところ分からない。
     
    いずれにせよ,問題は人民解放軍の処遇にある。たとえカトワル統幕長が留任するにせよ,人民解放軍2万人弱の駐屯地収容はもはや限界だろう。若い男女が,劣悪きわまりない駐屯地で,未来への展望もなく「軟禁」状態にある。
     
    そろそろ雨期にはいる。雨期になれば,高温多湿で衛生環境は極度に悪化する。蚊も出ればヒルも蛇も出る。これ以上たえられるはずがない。人道的にも問題だ。
     
    もしどうしても国軍統合ができないのであれば,国土建設隊か何かに編成するか,あるいは国策工場でも建設し雇用するかして,社会復帰を急ぐべきだ。日本は,陸自の海外活動ネパール演習などやめて,人民解放軍兵士の社会復帰プログラムの策定,実施に努力を傾注すべきだ。
     
    マオイストも,人民解放軍2万人弱の青年男女のことを本当に考えているなら,彼らの処遇についてもっともっと柔軟であるべきだろう。
     
    3/19/2009

    カトマンズ・デニズンの「水よこせ」デモ

     谷川昌幸(C)
    世界最先端を行くわがカトマンズで,ついにデニズンが登場した(カトマンズポスト、2009.3.18)。ネパール語では何と呼ぶのだろう? 
     
    Denizenとは,EUの外国籍居住者や多重国籍者を指す用語としてつくられたもので,「国家」の権威に挑戦するアナーキーなケシカラン理念。アナーキズムは,日本では明治以来,共産主義よりも危険とされてきた。デニズンはその一派で,フランスにすらまだ実在するかどうか議論されているところだ。
     
    その世界最新デニズンがカトマンズにはすでに実在し,3月17日,「水よこせ」「電気よこせ」デモをやった。もし15日以内に水と電気を配給しなければ,もっとスゴイ要求活動をやる,と本家マオイスト政府に脅しをかけている。そりゃ,マオイストよりもアナーキストの方が過激に決まっている。 それはそうだが,世界最新デニズンの要求が「水よこせ」「電気よこせ」だというのが,いかにもネパール的で,マンガチック。
     
    今日(18日)は曇天で,ゴロゴロ鳴り始めた。雷神様が,ネパール・デニズンの心意気に感じて雨を降らせてくれるのではないか? そうすれば,水不足も電気不足も軽減される。そして,世界最新デニズン思想が本家マオイスト政府には通じなくても神様には通じることが,めでたく立証されるわけだ。
     
    あめあめ降れ触れ,ネパール・デニズンのために。
     
    上水販売
    水不足のカトマンズでは「水」商売が大繁盛。わがホテルでは,配水をトイレ用,洗顔用,温水用の3系統に分けている。トイレ用は茶色の泥水だが,何ら支障はない。カトマンズは,必要に迫られ,エコでも世界最先端になりつつある。
     
    3/15/2009

    王宮博物館と中日米

    谷川昌幸©
     
    3月13日,王宮博物館に行った。外人特別料金500ルピー。高いが,この国では通例,1年もするとガタガタ,ボロボロになるので,美しい王宮を見るのはいまのうちだ。写真不可だが,すでにネパール人はパチパチ撮りまくっている。
      ●入場料
        ネパール人: 大人 100ルピー
                 学生  20ルピー
        中国人・SAARC諸国人: 250ルピー
        それ以外: 500ルピー
        3歳以下: 無料
     
    1.中国はSAARCと同列以上
    この入場料区分からも分かるように,ネパールにとって中国はSAARC,つまりインドと同格である。いや,国王にとってはインド以上であり,そのことを暗示するものが随所に見られた。
     
    一番ビックリしたのは,国王執務室(Gulmi)の執務机の右側壁面に,中国チベット自治区人民政府寄贈のタピストリが掛けられていたこと。ポタラ宮を背景としたものだが,見たところ,単なる観光みやげレベルの品で,寄贈者の名前だけが目立つ。明らかに周囲からこれだけが浮いている。
     
    いつ,どの国王が掛けたのか分からないが,政治的意図は明白だ。私のような一介の外国人であっても,「なるほど,国王のバックには中国がいるのだな」とすぐ気がつく。そうした圧力をかけるため,このいささか場違いなタピストリは掛けられているのだ。
     
    2.王室つながりの日本
    日本の存在感もかなり大きい。小宮山俊画伯の4曲の巨大な「マチャプチャレ」画が掛けられている。それ以外にも,広重の日本画(複製?)や日本関係のものがあちこちに飾られている。
     
    それらにもましてわが愛国心を大いにくすぐったのはダイキン・エアコン。畏れ多くもネパール国王陛下は日本謹製の空気の中で生活されていたのだ。 そして,いうまでもなく,日本の皇族との親密な関係の誇示。ネパール王政は,日本天皇家やその取り巻きが支援してきたのだ。
     
    しかし,悲しいかな,日本のプレゼンスはカネ(ダイキン)と封建的・反民主的な王室つながりが中心。ポタラ宮タピストリとは雲泥の差だ。
     
     3.カーリー女神の威を借りる国王
    玉座の間(Gorkha)は,さすがに立派だ。国王の威厳を示すための工夫が凝らされている。
     
    その中でも素晴らしいのが,天井の4角から見下ろす8人のカーリー女神像。傑作であり,こんな強力無比の女神様の威を借りて統治すれば,誰でも恐れ入り,平伏するに違いない。案内パンフレットにはわざわざカッコ付きで次の一文が添えてある。
      「1990年憲法の公布施行宣言式もまたこのホールで挙行された。」
    1990年憲法は,カーリー女神に祝福されていたのだ。
     
    4.一番人気は虐殺現場
    当然といえば当然だが,一番人気は王族殺害事件のあったトリブバンサダン跡。人間は残酷なもので,事件が悲惨であればあるほど,それを喜び,見たがる。「歴史から学ぶ」などとカッコつけるが,本音は,他人の不幸はわが幸福なのだ。だから,事件現場を跡形なく取り壊してしまったのは,後腐れがないように,ということだろうが,観光政策としては,大失敗だ。現場を残しておけば,いまの何倍もの見物客が押し寄せ,国庫を潤していたはずだ。
     
    それでも,「ここでビレンドラ国王が撃たれた」とか,「ここに弾痕あり」などと書かれた案内板の付近には,黒山の人だかり。あさましい限りだが,私自身,スケベ心を押さえきれず,「弾痕」を見に行った。
     
    スケベついでに述べておくと,もう一つの人気スポットは,国王夫妻の寝室(Dhankuta)。こちらは「男根」を想像しつつ,老若男女,善男善女が長い列をつくり,スケベ心丸出しで,ダブルベッドを見つめていた。団体見学の小中学生には教育上ハナハダよろしくない。
     
    5.植民地根性丸出しの王室
    全体として,王宮は決して自国の伝統や文化を守るためのものではなく,率先して先進国の権力とカネに屈服し,その猿まねをし,その威を借りて人民を統治するものだ。西洋のまがいものや日本からの借り物が,あちこちにある。これは日本でも同じこと。欧米からは猿まねと見られているに違いない。
     
    それはともかく,王宮博物館は,このままでは1,2年でガタガタ,ボロボロになる。あるいは,もし王政復古ともなれば,再び入れなくなる。王制の因習的,反民主的,植民地的雰囲気を味わうには,早く見学に行った方がよい。
     
    6.アメリカン・クラブに手を出すな
    王宮博物館はお勧め観光スポットだが,ここで注意すべきは,南隣のアメリカン・クラブ。以前にも何回か注意したが,これは怪しく超危険。うっかり写真でも撮ろうものなら,撃ち殺される。 あまりにも腹が立ったので,アメリカン・クラブの西南角から,クラブに背を向け,タメル方面の写真を撮ってやった。
     
    小型デジカメを出すと,ライフルを構えた兵士2人がすっ飛んできて,「こら,撮るな!」と銃で威嚇する。「いや,撮影禁止はアメリカンクラブであって,タメルではない」と反論し,1枚撮った。それがこの愚作(カンチプルTVの禁酒キャンペーン)。
     
    しかし,こうした行為は大変危険であり,もういつ死んでもよいと覚悟を決めている人以外には,お勧めできない。すでに,うっかりパチリとやった日本人が何人か拘束されている。
     
    アメリカは,傲慢なケシカラン国だ。人権も民主主義もネパール国民の尊厳も完全無視。街のど真ん中に,危険きわまりない施設を設置している。 ネパールの国辱だ。なぜマオイストは,こんな植民地的治外法権租界の存在を認めているのか? 反帝国主義闘争が本気なら,まずここから攻めるべきではないか?
     
    ▼アメリカンクラブ(文部省前より)
    (ライフルを持った警備兵が立っている)
     
    ▼アメリカンクラブ側からタメル方面
    (巨大看板は児童飲酒防止キャンペーン)
    2/19/2009

    ネパール以下の日本政治

    谷川昌幸(C)

    ネパール政治を批判すると怒られることがままあるが,私は必ずしもネパール政治を日本政治以下と見ているわけではない。基準はいくつもあり,一面的な比較は慎むべきだろう。

    しかし,そう限定しても,小泉退陣後の日本政治の劣化は著しく,麻生内閣はもはや政府の体をなしてはいない。麻生首相は小学生以下の民主主義理解力しかないし,中川財務・金融相は泥酔会見で日本国民を恥辱まみれにした。誰が見ても,いまの日本政治はネパール政治以下だ。

    原因はいくつかあるが,根本的なのは,日本国民全体の老化だ。日本国民には,もはや何事についても怒るだけの気力はない。とくに青年層の老化は著しい。私のような穏健保守思想ですら,学生たちは「過激で危険」といって敬遠する。世も末だ。

    もう少し直接的な原因を一つあげると,小選挙区制が悪い。小選挙区制はイギリスやネパールのような自己主張の強い国民に適している。それなのに,イギリスの真似をして小選挙区制を導入したがため,党内競争がなくなり,リーダーが育たなくなった。以前のように1区数名選出であれば,派閥政治の弊害はあっても,必然的に党内競争が激化し,リーダーが育っていく。イギリスに適した制度が日本にも適するとは限らない。

    このままでは,日本国民は老衰し,世襲お坊ちゃま議員共々野垂れ死にするだろう。

    12/27/2008

    権力に守られるメディア:ヒマール攻撃をめぐって

    谷川昌幸(C)

    マオイストのヒマールメディア攻撃(12/21)は,日本でもかなり大きく報道された。今夏,クンダ・デクジト氏とは何回かお目にかかり,パタンの事務所も見学しているので,この攻撃には衝撃を受け,怒りを禁じ得ない。報道は,民主政治の神経であり,その自由は絶対に守られなければならない。
     81227a   81227b

    Bilash Rai (NepaliTimes, Dec.27)   /   Nepali Times (ibid) 

    それを前提に言うのだが,ネパールのメディアや人権派は,根本的な考え違いをしている。彼らは,自由と権力を二者択一の関係,反比例の関係と見ているようだが,これは見当違いである。

    自由や権利は強力な公権力により守られる。報道の自由も私生活の自由も強力無比の公権力を前提とする。

    が,その一方で,メディアは権力監視を任務としている。自分を守ってくれる権力が,公権力の正道から外れ,私権力に堕落することのないように常に監視し,その兆しがあれば,報道し警告する。その任務の忘却はメディアの自殺だ。

    人民攻撃の警察隊や軍隊の後ろからカメラを構えるメディア,途上国攻撃の先進国軍隊に守られつつ取材するメディア,政府や政党の提灯持ち記事を垂れ流すメディア――そんなものは見たくもない。

    メデイアが批判すべきは,公権力の私権力化であり,公権力そのものではない。強力で安定した公権力は自由保障の前提条件だ。特にネパールにおいては。

     81227c  81227e

    マーチンUNMIN代表(ibid) / 権力(警察)に保護を求めるメディア(クンダ・デクジト氏,ibid)

    11/2/2008

    図解 ネパール革命

    谷川昌幸(C)

    ネパール革命ないし政変は,図解すると,わかりやすい。一目瞭然。

    ネパール王国

    81102shah

    ネパール連邦民主共和国 (アッサン,2008.8)

    81102MaoNpl
    10/15/2008

    マオイストとナショナリズムと国辱的グリーンカード宣伝

    谷川昌幸(C)

    ネパールの政党はみなナショナリストだ。「万国の労働者、団結せよ!」と叫んでいる共産党もナショナリストだ。土着農民の味方、マオイストは最右翼ナショナリストだ。

    そのマオイスト主導政府のヤダブ大統領は、世俗国家となったにもかかわらず、憲法の政教分離原則を無視し、14日午後、国家元首としてダサイン祭フィナーレを祝うためバクタプルのナラドゥルガ寺院に出かける(下図記事参照)。

    ナラドゥルガ寺院でのプジャ(礼拝)儀式への国家元首出席は、ビレンドラ国王が1988年に始めたもので、ヒンズー教国家ナショナリズム強化が目的であることは明白だ。

    それなのに、世俗国家となった後も、国家元首としてコイララ首相が出席し、そして14日にはヤダブ大統領が出席するという。

    その点、プラチャンダ首相は、公人としての宗教儀式参加を潔癖に拒否しており、偉い。尊敬に値する。しかし、首相は国政の最高責任者であり、大統領の憲法違反を止めさせる責任がある。政治的判断で、大統領をスケープゴートとして利用しているのかもしれないが、そんな姑息な手段は危険であり、止めた方がよい。

    いずれにせよ、マオイストは最右翼世俗ナショナリストであり、伝統的なヒンズー教国家ナショナリストを泳がせ、利用しようとしている。にもかかわらず、こんな広告を出されて、恥ずかしくないのか?

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              米グリーカード宣伝。ブッシュ大統領写真付。2008.10.14

    ネパールなんか早く見限り、アメリカへ行こう、とこの広告は訴えかけている。祖国愛なんか足蹴にし、国外脱出を呼びかけている。

    ネパール・ナショナリスト、特に最右翼のマオイストは、こんな広告を出されて、恥ずかしくないのか? マオイストは、某国右翼顔負けの街宣車を多数もっている。マーカンタイルや広告主(米政府?そのエイジェント?)のところに押しかけ、即刻広告中止の要求をすべきではないか。

    検閲、言論弾圧、それとも営業妨害? そうかもしれないが、これはあまりにもひどい。ヤダブ大統領が、憲法を無視し、ヒンズー教国家ナショナリズム鼓舞のためヒンズー教寺院でのプジャに出かけるという記事をあざ笑うかのように、ブッシュ大統領お墨付きの派手な大広告が、上から、右から、国外脱出を呼びかけている。

    恥ずかしくない? な~んも感じない? だったら、エベレストに赤旗を立てるなどといった大言壮語は止めた方がよい。

    8/15/2008

    首相選挙速報 初代首相はプラチャンダ議長

    谷川昌幸(C)
    プラチャンダ議長,首相選出(2008.8.16.7:50)
    マオイストのプラチャンダ議長が首相に選任された。
      賛成 464  CPN-M, CPN-UML, MJF 他17党
      反対 113  NC
      欠席   ? National People's Front, Rastriya Janashakti Party, NWPP
     
    新政府は,マオイスト+統一共産党+マデシ人民権利フォーラムの3党連立となる。実質的には共産党政権。今後,どのような「共産主義的」政策が実行されるか注目される。当面は,8月23日の「ミスネパール」の実施,そしてインドラ祭への首相出席が注目される。もちろん,大企業の国営化,外国資本規制,農地の没収・分配や,人民解放軍2万弱を国軍に統一して巨大軍隊とし,それを額に汗して働く諸民族人民が支えるという現代共産主義国型国家に向かうかどうかも,他人事ながら気になる。
     真っ赤になった初代首相(nepalnews.com, Aug16) 
     MaoistFlag RedPM Maoistelectionsymbol
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    デウバ候補落選(2008.8.15.23:00)
    制憲議会における首相選挙で,コングレス党のデウバ候補は,賛成113,反対551で否決された。この結果,マオイストのプラチャンダ党首が首相に選出されることがほぼ確実となった。
     
    8/9/2008

    コイララ万歳記事の虫干し

    谷川昌幸(C)

     酷暑の毎日,な~んにも考えられない。コイララ万歳記事の虫干しでもすることにする。

     2006/06/07 南アジア最高の指導者,コイララ首相

     訪印したコイララ首相を,マンモハン・シン印首相が「南アジア最高の指導者(the greatest leader in South Asia)」と称えたという。政治家の言葉であり,それ自体はどうということはない。
     問題は,その類の表現をUWBまでが何のコメントもなく掲載していることだ。つい数ヶ月前までは,コイララ氏といえば,「腐敗した」が枕詞であった。コ氏が有力な政治家であることは確かだが,同時に,多くのスキャンダルがつきまとい,親インドでもさんざん批判されてきた。
     それなのに「4月革命」を境に,ネパール・メディアの大半は,議会復活の印=NC陰謀を容認し,コイララ氏を「南アジア最高の指導者」などと称える政治的発言を無批判に垂れ流している。
     座標軸がないとは,まさにこのことだ。日本にも同じような傾向があるが,ネパールはもっとひどい。この調子では,つぎは「プラチャンダ万歳!」だろう。いや,「ギャネンドラ国王万歳!」かな?
     * United We Blog, Jun6.
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    koirala60606

    After American Presidents Bill Clinton and George W. Bush, it was today the turn of Nepal’s Prime Minister Girija Prasad Koirala to be received by the Indian Prime Minister at the New Delhi’s Indira Gandhi International Airport in the recent memory. “You are the greatest leader in South Asia,” said Man Mohan Singh, the Indian leader, while shaking hands of his Nepali counterpart. “We respect you and we are proud of you.”

    Koirala is officially visiting India as a Prime Minister of a government formed by the historical Peoples’ Movement that forced an autocratic king to give up the power and restore the House of Representative that was dissolved four years in mysterious circumstances. Koirala was demanding the restoration of the House from the very beginning and the 84-year-old president of Nepali Congress party was the leader of the Seven Party Alliance that organized the April Revolution with the direct help of the Maoist party. Koirala, as the head of the (new) Nepal government, genuinely deserved that respect from India, our closest neighbor. This response of Prime Minister Singh has been interpreted as Indian peoples’ salute to the Nepal’s historical peoples’ movement and its achievement.

    But those were the words from India; we are yet to see those beautiful words turned into action. India can turn those words into actions by providing assistance and offering help to us without adding strings and hidden fees. Koirala is in New Delhi with a mission: to get as much help and assistance from India as possible. Nepal is in need of all kinds of help- from budgetary to bilateral- from India but not at any cost. We feel that India has done enough harm and taken things away from us already. This is the time India pays back. So far the signals have been encouraging. Results will be seen pretty much soon. Koirala will be holding formal talks with Man Mohan Singh Wednesday.

    Based on reporting by Kantipur senior reporter Balaram Baniya and special correspondent Surendra Phuyal in New Delhi

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    2007/05/24 高位カースト寡占のマオイスト

     共産党は理念の党であり,理念はインテリ高位カーストの支配イデオロギーだ。統一共産党は高位カースト寡占であり,マオイストも例外ではない。ネパリタイムズ(18 May)によると――
    ●マオイスト
     中央委員35人のうち,バフン/チェットリ25人(71%)
     グルン・マガル自治区の郡長13人のうち,バフン/チェットリ9人(69%)
    ●UML
     常任委員15人のうち,バフン13人(69%)
    ●NC
     中央委員37人のうち,ダリット1人(3%)
    ちょっと比較しにくいが,マオイストの高位カースト支配は明白だ。
     90年革命のあと,アメリカ政治学がネパールに輸入され,政党の「科学的」調査をやった。その結果によると,バフン(ブラーマン)支配が最も高かったのは統一共産党だった。民主化革命で民衆をたぶらかし,甘い汁を吸ったのは,バフン/チェットリだったわけだ。
     2006年民主化運動Ⅱの結果も,歴史に照らせば,同じことになる可能性大だ。少数民族やダリットをおだてて権力をとり,おいしいところは高位カーストがチャッカリ失敬する。
     むろん,高位カースト内の権力交替は起きているであろう。伝統的エリートから大衆動員型エリートへの転換である。
     ネパールの現状を考えた場合,どちらがよいかは一概にはいえない。「汚職腐敗のデパート」コイララ首相は,もちろん伝統的バフン指導者だ。その伝統的バフンが,革命により一夜にして救国の父に化けた。変ではないか?
     もちろん,変に決まっている。只今,コイララ「汚職腐敗デパート」の在庫整理,特売中! 貧乏人どもが特売目当てに殺到しているが,特売在庫がなくなれば,ハイそれでおしまい。
     それでも,コイララ首相やそのお仲間が偉いのは,伝統的エリート教育を受け,指導者としての品格をもっているからだ。彼らは支配者として生まれ育ち,支配技術が身に付いている。だから,汚職腐敗まみれになろうが,それでも玉,支配者として様になっている。
     これに対し,大衆動員型エリートは,大衆に依存しているので,伝統型のような指導者としての重さ,安定性,品格がない。伝統型は,政治を大衆レベルに引き下げる必要はないが,大衆動員型は大衆迎合政治を続けなければ権力が維持できない。ここに大衆動員型の大きな危険性がある。
     マオイストは,高位カースト寡占で非民主的であり,その上,高位カーストも大衆動員型化しつつある。二重に危険だ。高位カーストなのに,高位カーストの品格をもたない者が劣等感にさいなまれ,暗いルサンチマンに駆られ,支配する。Noblesse obligeなしのマオイスト貴族政治! やはり,キセルはよろしくない。   

    8/1/2008

    毀誉褒貶のコイララ首相

    谷川昌幸(C)
    政治家に毀誉褒貶はつきものとはいえ,つい2年前にノーベル平和賞候補とまで絶賛した人々が,掌を返したように,老害,みにくい権力執着,インドの回し者などと罵倒するのは,いかがなものか。
     
    ギリジャ・コイララ氏が,名門コイララ家をバックに様々なコネや利権を駆使して権力闘争を勝ち抜いてきた老練な政治家であることは,周知の事実であった。それが分かった上で,2006年春,コイララ氏を御輿に乗せ,みなで担ぎ,運動を成功させたのではなかったか。その頃,コイララ絶賛記事,コイララ称賛本が巷にあふれ,私もいくつか購入した。
     
    それなのに,コイララ氏が老体にむち打ち,祖国ネパールの統一と独立維持のため懸命に努力しているのを悪し様に一方的にこき下ろす。とくに笑ってしまったのが,コイララ首相がSAARCサミットにネパール政府代表として出席する事へのごうごうたる非難の大衆合唱。
     
    たしかにコイララ氏はヤダブ大統領に辞表を出し,次期首相決定までのつなぎ首相となった。したがって,本来なら重要な新しい政策決定はすべきではない。
     
    しかし,次期首相はいつ決まるともしれないし,SAARCサミットの期日も迫っていた。コイララ首相が出席せざるをえないではないか。もしヤダブ大統領を出席させるとすれば,セレモニアル大統領の原則は完全に崩れ,大統領が政治的実権を担うことになっていく。結局,コイララ首相しか適任者はいなかったのだ。
     
    自分たちが担いだ御輿を,自分でひっくり返す。担いだ自分を戯画化しているようなものだ。品格を疑われる。
    7/24/2008

    正式国名「ネパール連邦民主共和国」

    谷川昌幸(C)
    1.ネパール連邦民主共和国
    ネパール外務省が,ようやく正式国名を外交団に通知した。法的根拠は不明だし,邦などどこにもないが,外務省がいうのだから,そうなのだろう。
      正式国名: ネパール連邦民主共和国 Federal Democratic Republic of Nepal
      略   称: ネパール共和国  Republic of Nepal
     
    2.大統領閣下
    大統領,副大統領の敬称は,His Excellency (閣下)となる。誰が大統領になろうと,うっかりCom(同志)などと呼び掛けると,とんでもないことになる。
     
    ヤダブ大統領閣下は,早くもセレモニアルの衣をはだけ,首相候補の指名に動き出した。頑張れば,His Majestyと呼ばれるようになるかもしれない。
     *eKantipur, 24 July